Wii期待のマリオの新作
「スーパーマリオギャラクシー」が
11月1日に発売されることが決定したようです。
「スーパーマリオサンシャイン」から実に5年ぶりの新作3Dマリオです。
非常に期待しています。
もうこれから発売するまで「マリオギャラクシー」の情報は見ません!
あんまり事前にいろんなことを知っちゃうと楽しみが半減しちゃいますから!
・・・とは言っても、どーしても待ちきれないので
DSの3Dマリオ
「スーパーマリオ64DS」を買っちゃいました。
「ギャラクシー」が出るまで「マリオ64」をおさらい!というつもりでしたが・・・
私がプレイした919本のゲーム
(こないだ数えました)の中で
栄えあるマイフェイバリット第1位が
「スーパーマリオ64」なのです。
本作は今更説明するまでもなく、名作として名高い3Dアクションゲームです。
当時はまだ3Dアクションゲームというものがあまりなかったときでありながら、
その完成度はすさまじいものでした。
完全3Dの箱庭の中にこれでもか!とたくさんの“遊び”がつまっています。
何時間でも遊んでいられるし、ちょっとした時間でも遊べる、プレイヤーの自由な発想によって様々な遊び方の出来る懐の深いゲームです。
正に
「新しい遊び場」を提供してもらったような感じでした。
64版は「無印」と「振動パック対応版」の両方買っていますし、Wiiのバーチャルコンソールでも一番にダウンロードしたのが「マリオ64」です。
しかし、DS版
「スーパーマリオ64DS」はプレイしていなかったんです。
で、今回買ってプレイしたんですが・・・
「これは、あのマリオ64じゃない!!」
いや、ゲーム内容は64版と同じなんですよ。
むしろ、新しいステージやキャラクターが増えていて「パワーアップ」しているんですが。
でも64版とは別物と言えるほどプレイ感覚が違います。
これを、かの名作「マリオ64」だと思ってプレイした人が可哀想です。
DS版は64版より
致命的に「パワーダウン」した部分があるんです。
それは
「操作性」です。
3種類の操作方法から選ぶことが出来きるのですが、どれも微妙です。
デフォルトでは「十字ボタン」での操作になっています。
64版の「アナログスティック」での操作をデジタルの「十字ボタン」で操作するのは違和感ありすぎです。
タッチパネルを使ってアナログスティック風に操作する方法も用意されているんですが、使い勝手が良いとは言えず、アナログスティックよりも慣れが必要です。
私は「マリオ64」を何度クリアしたかわからないくらいプレイしていますから、ステージの隅々まで熟知しているつもりです。
そんな私でも操作性の悪さの為にかなり苦労させられます。
「十字ボタン」での操作の場合、ダッシュするのにYボタンを押し続けなければなりません。64版ではスティックを倒すだけで出来た操作です。
ダッシュしてジャンプしてボディーアタッ〜ク!ってなことが64版では簡単に出来たのに、DS版では使うボタン数とボタンの配置の関係で非常に煩雑な操作が必要になっています。
簡単に出来たことが簡単ではなくなってしまったことで、「マリオ64DS」の難易度は64版に比べ格段に(理不尽に)上がってしまったように思います。
「マリオ64DS」で初めて「マリオ64」に触れたひとは「難しくってやってられるか〜!」って思うのではないでしょうか?
本来の「マリオ64」はこんなゲームじゃないんですよ。
『3Dゲームに於ける任天堂の功罪』
私が知る限り「マリオ64」はゲーム史上初めての“3人称の3Dアクションゲーム”だったと思います。
それまでにも「DOOM」や「ジャンピングフラッシュ」など3Dのゲームは有りましたが、これらはプレイヤーの主観視点、またはプレイヤー機の真後ろから見た視点のものでした。
「カメラ」と「プレイヤーキャラ」が独立した“3人称視点”は「マリオ64」が初めてだったと思います。
3Dで“3人称視点”を実現するには不可欠な要素が2つあります。
「カメラ」
と
「アナログスティック」です。
3Dの3人称視点では否が応でも
「カメラ」を意識しなければなりません。3D空間の中ですから「カメラ」が適切な位置に無いとプレイヤーキャラが見えなくなったり距離感がつかめなかったりしてゲーム進行に支障を及ぼします。
2Dのゲームや主観視点のゲームでは、その世界を映している「カメラ」を意識することは無かったと思います。「カメラ」という概念すらなかったと言っても良いでしょう。
「マリオ64」では、それまでゲームに存在しなかった「カメラ」という概念をプレイヤーに上手い具合に意識させるところから始まります。
ゲームを始めると、カメラを持った「ジュゲム」(スーパーマリオに出てくる雲に乗ったカメ)がピーチ城の周りをゆっくり移動した後、土管から出てくるプレイヤーキャラのマリオを映します。
このオープニングによって、今見ている画面は“ジュゲムが持っているカメラの映像”だということをプレイヤーに印象付けています。
そしてそのあと、ピーチ城に入る直前(本格的にゲームが始まる前)に“カメラマンのジュゲム”が直々にカメラ操作を教えてくれます。
これによりプレイヤーは見ている視点を変えたい場合は「ジュゲム」(カメラ)を動かせばよいのか、と理解できるのです。
「マリオ64」後、いろいろ3Dの3人称のゲームをやってきましたが、「カメラマン」が存在して、カメラ操作を丁寧に教えてくれるゲームは後にも先にも「マリオ64」だけです。
初めての3D3人称視点のゲームである為に丁寧に「カメラ」を説明しています。
むろん、「マリオ64」ではカメラを動かさなくても見やすい位置にカメラが移動するように調整されています。(完全ではないですが。)
ただ、勝手にカメラが動いてしまう為に、DS版(十字ボタン操作)では微妙な角度になったときの方向指示がしづらくなっているのです。
3D3人称視点の場合、3D空間を自由に操作する為には
「アナログスティック」が必要不可欠です。。
十字ボタンの場合、45度ずつの8方向しか方向指示が出来ません。
3D空間の中では45度ずつの方向指示では自由に動かすことが出来ないのです。
アナログスティックだと、360度どの方向にでも方向指示が可能です。
さらにスティックの倒し具合によって、歩いたり、走ったりすることまでコントロール出来ます。
3D3人称視点のゲームを直感的にプレイするには「アナログスティック」が必須要素なんですね。
この「アナログスティック」を始めて標準装備したゲーム機が「ニンテンドウ64」でした。
(64より前にサターンで「マルコン」というアナログコントローラーが出ましたが、これは別売りでした。)
「スーパーマリオ64」は初の3D3人称視点で、初のアナログコントロールが出来るアクションゲームだったわけです。
「マリオ64」では本格的にゲームが始める前、この初めてのアナログ操作に慣れてもらう為にピーチ城の前にマリオを自由に動かせる場所を作っているんですね。ある程度アナログスティックでの操作がわかって城に入ろうとすると、前述の「カメラ操作」を教えてくれるわけです。
導入部に非常に気を使っていることがうかがえます。
初めてづくしのくせに、異常に完成度が高いんですよね。
「マリオ64」をつくるために「ニンテンドウ64」が作られた、と言う皮肉めいた言葉が当時良く聞かれました。
そのくらいハードとソフトの親和性が優れていたと言うことでしょう。
そして64以降、どのハードも「アナログスティック」が標準装備されていきます。
初代「スーパーマリオブラザース」が2Dアクションゲームのスタンダードになったように、「マリオ64」が3Dゲームのお手本的な存在となる・・・はずでした。
しかし、そうはなりませんでした。
皆さんご存知の通り、この世代(プレステ、サターン、64)のゲーム機戦争は「プレイステーション」が制します。
プレステには当初「アナログスティック」が装備されていませんでした。
64の発売以降に「アナログスティック」が標準装備されるようになるのですが、もともとのコントローラーの形を大きく変えるわけにはいかないですから、プレステのアナログスティックは十字ボタンより下側に追加される形になりました。
メイン、というよりもサブ的な存在ですね。
若干操作しづらい位置ではあります。
3Dのゲームが当たり前になってかなり時間が経ちますが、
そんな3Dゲームの感想の中で、
「なんで十字ボタンで操作できるようにしなかったのか?」
と言ったような感想を度々目にすることが有ります。
アナログスティックでしか動かせない仕様のゲームについての感想です。
ニンテンドウ64を経験した方にとって「アナログスティック」には何の抵抗もないでしょうが、
世の中には「アナログスティック」に抵抗を感じている方が結構多くいらっしゃるようです。
プレステ、プレステ2にも「アナログスティック」は有りましたが、「マリオ64」のような「カメラ操作」「アナログスティック操作」を丁寧に教えてくれる入門編的、お手本的ソフトが存在したか(また、それがセールス的に成功したか?)と言えば疑問です。
また、プレステ、プレステ2のアナログスティックは少しずれた位置にあるのと、フニャフニャとスティックの位置が定まらない為に正確な方向指示が難しいのです。
これ、任天堂が持ってる“特許”のせいもあると言えるんじゃないかと思うんですよね。
その“特許”とは、任天堂機のアナログスティックの周りにある
8方向の溝です。
任天堂機のアナログスティックの軸の周りには縦横斜め8方向に溝があります。
アナログスティックを最大に倒すとその溝に軸がはまり、ある程度正確な方向指示が出来るようになっています。
任天堂以外のゲーム機にはアナログスティックの周りに溝はありません。(ないよね?)
別に特許をとることは悪いことじゃありませんし、企業としては当然の行為です。
でもこの“溝”のあるなしで結構操作感が違ってきます。
溝が無いと、例えば正確に「上」の方向を指示しているつもりでも少〜し斜めになっていることがあるんですね。
国民的ゲーム機といえば「プレステ」「プレステ2」であったことは間違いない事実です。
「ニンテンドウ64」を遊んだことがない人も数多くいるはずです。
プレステ、プレステ2では3Dゲームであっても、十字ボタンで操作できるものも多くあります。
「アナログスティック」に慣れない人がいるのはしょうがないことなのかもしれません。
むろん、「マリオ64」をやったからと言って、3Dゲームが苦手でなくなるわけではありません。
「マリオ64」の時点で3Dを諦めたという方の話もよく耳にします。
また、アナログスティックのせいだけじゃなくて、カメラワークによる“酔い”が理由で3Dゲームが苦手、と言う方もたくさんいらっしゃいます。
任天堂は64版「スーパーマリオ64」で非常に丁寧に3Dアクションゲームの「アナログスティック操作」と「カメラ操作」を提示しました。
しかし、アナログスティックの無い「マリオ64DS」ではほとんどの人が「十字ボタン」で操作すると思います。(デフォルト操作ですし。)
でも、そのことで3Dをなるべく「やさしく」「遊びやすく」しようとした「マリオ64」の良いところが、DS版では全て無くなってしまったように感じるのです。
「やさしさ」と「遊びやすさ」が無くなった「マリオ64DS」は、
ただ
「3Dゲームの持つ敷居の高さや不完全さ」のみを浮き彫りにしてしまっています。
「やさしさ」と「遊びやすさ」で包まれて見えなかった
「3Dゲーム」の本性があらわになったようです。
3Dのゲームは、ゲームに新たな進化をもたらすものと考えていました。
私自身、当時は「マリオ64」が新しい時代のゲームのスタンダードなんだと思っていました。
しかし、実際は3Dになったことが「出来る人」と「出来ない人」を分けてしまいました。
「マリオ64」はその分岐点だっただけなのかも知れませんね。
「マリオ64DS」をやって、そんなことを強く感じたのです。
でもゲーム好きとして、出来ないゲームがあるのはもったいないなぁ〜と思うのです。
そこでぜひ、3Dゲームが苦手だと言う方も
3Dスーパーマリオ最新作の「スーパーマリオギャラクシー」の感想を見てみてください!
忍之閻魔帳 様「3Dアレルギーの特効薬が完成」
Rambling Man 様「大絶賛 スーパーマリオギャラクシー」
どーですか!
なにか新しい3Dゲームの幕開けを感じませんか?
もう、期待で胸がはちきれそうです。
でも、せっかく発売日までガマンする為に「スーパーマリオ64DS」を買ったのに。
どーやって11月までこらえたらいいんでしょう!?